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1月 2016

「マグロハウスはなぜ話題になったのか?」SNS時代のイベント設計

 

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パーティークリエイターのアフロマンスです。

今日は、2015年の年末に手がけた「マグロハウス」を設計したプロセスをまとめてみたいと思います。イベントや、色んな仕掛けをやっている方の参考になれば幸いです。

 

Q. そもそも、マグロハウスは話題になると思っていたか?

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もちろん、バズることを想定して設計しました。

「まぐれハウス」ではありません。

・・・

でも、狙ったら百発百中バズる訳ではないです。ただ、確度がある狙い方はあると思います。大事なのは「思考のプロセス」だと思います。

 

 

思い返して、ポイントをあげると、以下の6つです。

1、アイディアの種を考える

2、ワードを開発する

3、情報の設計図を念頭において考える

4、メディア視点で考える

5、参加者視点で考える

6、実現可能性を考える

後ほどお話ししますが、1〜6を順番にやるというよりは、同時併行で考えながら設計していきます。そうすると、自ずとイケてる企画か、イケてない企画か、瞬時に判断がつきます。

とりあえず、わかりやすいと思うので、この順番で説明していきます。

 

 

1、アイディアの種を考える

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「何か面白い企画を考えましょう。」

そう言われても、どこからどう考えればいいのかわかりませんよね。

色々やり方はあるのですが、まずは肩の力を抜きましょう。

面白いアイディアの種は、意外に身近なところに転がっているものです。

 

今回でいくと、例えば「年末」に「クラブ」でイベントをやる、というのは決まっていました。そんな中で、年末どんなイベントをやりたいかなぁというのを考えます。(まずは、やりたいことを考えた方がいいです)

 

年末か・・・

どうせやるならやりたいことをやりたいよなぁ・・・

音楽は、なんだかんだハウスが好きだし、ハウスのイベントをやりたいなぁ・・・

あと、美味しいものとか食べたいなぁ・・・

そんな感じで色んな案を考えている中で、「マグロの解体ショーは?」という話が出ます。ただ、この段階では100案あるうちの小さな1案です。まさにアイディア未満の「アイディアの種」

 

ただ、とりあえず、やりたいことには合致しそうだし、「マグロの解体ショー」と「ハウスミュージック」を組み合わせると、なんだか楽しいかもしれない、と思います。

以前から思っていた「スシローのCMにはハウスが合う」という持論とも一致して、なんだかテンションがあがってきます。

 

 

2、ワードを開発する

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ここは設計の上でかなり大事なポイントだと思っています。

「クラブでマグロの解体ショーをすること」と「マグロハウスというイベントをやること」は、まったく違います。(なので、”既にこういうことをやっている”という指摘はちょっとズレています)

今回の場合でいくと、そこが「企画」であり「クリエイティビティ」なのです。

 

企画やクリエイティブというと、何かスゴイことや派手なことを考える、ような気がしてしまいます。

例えば「ロボットをつくる!」とか「宇宙にロケットを飛ばす!」とか。一見面白そうなことに思えますが、僕の目からみると「イベントをやる!」とか「映像をつくる!」と言っているのとさほど変わらないし、それだけでは「企画になっていない」ように思います。

大事なのは、どんな内容で、どんなタイミングで、どんな手段でやるのか、何が特筆することなのか、という点であり、それが企画だと思います。

 

「マグロハウス」という言葉・コンセプトは結構考えました。

マグロEDMではいけないのか?EDMaguroは?

鮪ハウス、まぐろハウス、マグロハウス、どれがいいのか?

体験としての面白さ、テキストで視野に入ったときの読みやすさと違和感のバランス、コンセプチュアルに見え、やりたいことが伝わるのか、また口にしたときの口触り具合など、様々な視点で考えます。

その上で「マグロハウス」は一次予選を通過した訳です。

 

 

3、情報の設計図を念頭において考える

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仮に「マグロハウス」が面白いイベントだとしましょう。

しかし、そのイベントをあなたはどこで知るのでしょうか?

それを考えていくと、ただ面白いイベントをつくってもしょうがないことに気がつきます。

もっと言うと、僕なんかより面白いイベントをやっている人は全国にたくさんいると思います。ただ、知らないだけなんです。

 

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情報の流れ = 情報の設計図を思い描くのは、今の時代にとても大事です。

いちいち図にする必要はありませんが、慣れないうちは書いて考えるのもありだと思います。

何かしらの手段でお知らせしないといけません。自分や出演者のFacebookやtwitterで投稿する?もちろん、それも立派な手段の一つです。ただ、ものすごい数のフォロアーや友達がいる人ならいいですが、いわゆる普通の人〜ちょっと多い人、くらいだと限界がありますよね。

では、どうするかと言うと、普段つながりのない人に目にしてもらうのがいいでしょう。大きくは2つ、「メディアにとりあげてもらう」「広告を使う」か、です。

僕は知ってもらうためにあらゆる方法を検討しますが、今回は後者の「広告」は使わなかったので、「メディアにとりあげてもらう」という視点をこの後、書きます。

また、この情報設計図で言いたいことはそれだけではありません。もっと大事なこと。知ってもらうだけではダメだ、ということです。

知ってもらったあとにBUZZ(話題にしてもらうこと)、そして、実際に行きたいと思って足を運んでもらうこと、ここまで動かないと「ちゃんと設計できた」とは言えないのです。ここをさらに後でお話しします。

 

 

4、メディア視点で考える

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ここ、気になる人は多いでしょう。

でも、よく取り上げてもらっている人ほどわかると思いますが、実はなんでもないことなんです。答えは「あなたが記者だったら、どんな記事が書きやすいですか?」ということです。

メディアによって、記者の考えも違うので全部は語りませんが、わかりやすい所で面白ネタを載せているWEBニュースのライターだとします。

僕がライターだったらこう考えます。

・たくさんPVが稼げそうな面白ネタないかな

・たくさんクリックされたり、RTされるようなネタはないかな

・WEBサイトの見出しの1〜2行でわかりやすく載せられて

・センセーショナルな画像があるといいな

・おまけに季節や催事ネタと合わさると編集会議も通しやすそうだ

簡単に言うと、こういうことを逆算して設計する、ということです。

別にメディアと仲が良いとか、そういうのはありません(笑)

あえて言うと僕の場合は、

・こんなチャレンジなこと言ってるけど、載せて本当に大丈夫かな?

・記事を膨らませるネタになるような要素がないかな

という点で、

「泡パ」や「Slide the City」を手がけるアフロマンスがプロデュース

という部分が活きてきたりして、よく記事の内容にも盛り込まれたりします。メディアのニュースや記事を、そういう視点で読んでいくと、色々ヒントが転がっています

 

 

5、参加者視点で考える

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これはメディア等に取り上げてもらっても、話題にならない、遊びに行こうと思わない、ということもある訳です。

なので、この部分も大事です。色々あるので箇条書きでざっくり書きますね。

 

◎話題にしてもらいやすい設計の視点

「一言一枚」という言葉で言ったりしますが、twitter等のSNSで一言かつ一枚の写真で面白さが伝わらないと広がりにくい。(逆に言うと、伝えられるかという検証)

「認知度のバランス」あまりに皆が周知のことだとニュース性が薄く、話題になりにくいし、逆にマニアックすぎても広がりにくい。そのバランス。

「ツッコミどころ」これはよく言う話ですが、僕は真面目なので苦手です(笑)今回でいくと「なんでマグロとハウス!?」というバズり方が多かったので、コメントを添えてツイートされることも多かったです。

 

◎参加してもらいやすい設計の視点

・当たり前のことですが、面白いと思われる内容が、参加したい・体験してみたい、と思えることか。(必ずしも、イコールではない)

・ユニークさとハードルのバランス。変わっている、非日常体験だと参加してみたいが、ハードルが高すぎると参加率も当然落ちる。

・疎かになりがちですが、基本的なイベント情報も大事です。料金がいくらか、会場がどこか、時間が何時からか、そういう部分もきちんと考えましょう。

こういう企画を考えていくと、当たり前の「参加してもらう視点」が抜けがちで、エゴな企画になったりするので、気をつけましょう。

 

 

6、実現可能性で考える

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そして、一番最後、一番大事です。

何かをやろうとするときには、特にイベントは、ちゃんとやれるの?という話があります。楽しい企画はこれと常ににらめっこする必要があります。

・予算にはまるのか

・期間的に可能なのか

・物理的に可能なのか

・会場や出演者は問題ないのか

・参加者は大丈夫なのか(リスクヘッジなど)

・実際にやって楽しいのか(これは最終的にやってみないとわかりませんが、自分である程度のアウトプットを考えてくことはとても大事です)

 

これはイベントをやっていると思うのですが、写真や映像作品とかなら編集でごまかしたり、CGを使ったり、、などできますし、演者の人が多少我慢すればいい、なんてこともありますが、イベントだとまったく知らない一般の人が参加したりすることまで想定すると、特に重要な要素になってきます。

これがハマらなければ、これまでの設計ができていても、実施には至りません。

 

 

最後に

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わかりやすく伝えるために1〜6を考えるプロセスのように説明しましたが、冒頭でも伝えたように、これは同時に考える内容です。

また、常に行ったり来たりしながら、「これは面白いけど、実現可能なのか?」とか「話題になりそうだけど、ちゃんと参加したいと思うか」とか、何回も反芻して企画を練っていきます。

面白い企画が思いついても、誰にも知ってもらえないようでは成立しないし、実現可能性がないのであればこだわってもしょうがありません。だから、この上で出した企画って、針の穴を通すような感覚なんです。

そんな過程を経て世に出しても、それがちゃんとワークするかはやってみないとわからないんですけどね。

 

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ただ、こういう複数の視点を踏まえて企画を見ると、面白い企画をうまく世の中に伝えたり、より多くの人に体験してもらう手助けになるかなと思います。

たまたま、ではなく、練って考えた企画がうまく反応してもらえたり、実際にイベントに参加した人の声を聞くと、感無量です。

ぜひ、参考にしてみてください。

 

マグロハウス・ムービーレポート

 

マグロハウス公式サイト
http://afroand.co/magurohouse/

 

 

 

世の中に、もっとワクワクを。

アフロマンス

ズボンを履かずに電車に乗ってわかった、ノーパンツデーの楽しみ方 #ノーパンツデー #NoPantsSubwayRide

 

こんにちは。

アフロマンスです。

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安心してください。

 

 

 

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履いてません(ズボンを)。

 

 

 

そう、2016年1月10日(日)は、全世界でノーパンツ(ズボンなし)デーです。

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正確にいうと、ノーパンツデーではなく「No Pants Subway Ride」と呼ばれる、アメリカ ニューヨーク発祥のムーブメントで、真冬のど真ん中に地下鉄にズボンを履かずに乗車する、というイベントです。

 

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本国の主催に連絡をとって、写真素材や許可等ももらってつくったサイトが下記になります。日本流に、地下鉄に限らず、ノーパンツ(ズボン無し)で過ごして写真をアップする日「ノーパンツデー」としてリメイクしています。

No Pants Day 公式サイト:http://nopants.jp/

 

 

去年のこの日に、僕が東京にいなかったという事情もあって、ほとんど呼びかけで終わったのですが、ちょこちょこ取り上げてもらって話題になりました。

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そして時は経ち、すっっっっっっっっっっかり忘れていたところ、twitterのタイムラインで昨日知って、超急遽だけど、やれることやってみようと思ったのが今日です笑

 

 

はい、すいません。完全に忘れてました。

 

 

 

一人は心細いので、付き合ってくれそうな人にリプライを飛ばしてみる。

 

 

 

しかし、皆シャイなのか、急だからなのか、のってきたのはエクストリーム出社の天谷さんだけ。

さすが、時間もやや早めの指定です。(すいません、感謝してます)

 

 

 

そして…

 

 

 

11時過ぎ @渋谷スクランブル交差点

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はい、行ってきました。

天谷さんと待ち合わせしたのですが、まさかのズボン着で現れる!!

「渋谷は恥ずかしい」とのことで、天谷さんの仕事場のある八丁堀へ移動することに。

 

 

★わかったこと1:ズボンを履かずに街を歩いても、意外となんてことない。

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TSUTAYA前で立っていたら、お姉さんが近づいてきて何を言われるかと思ったら「道玄坂ってどっちですか?」と道を尋ねられました。

「パン一の男がいても何も感じない街 シブヤ」

と思っちゃいましたね。確かに、僕も普段着の方が視線を感じる気がしました。ノーパンツなんてなんでもないね。

 

 

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外人さんとかには認知度高めなので、反応してくれる場面がありました。

 

 

そして…

 

 

電車で八丁堀まで移動。

まさにNo Pants Subway Ride!

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しかし、一人はちょっと寂しい。

 

 

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八丁堀に着き、天谷さんもようやくノーパンツデー・モードに。

しかし、ここでも人があまりいないので、寂しい。

 

 

★わかったこと2:ノーパンツ・スタイルは1〜2人だと、ただの変な人。

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まぁ、こういう人なのかなって感じ。

本当に、悲しいくらい、何も言われません。

 

天谷さんはこの段階で仕事に行かなければいけないということで、僕のノーパンツデーも終わりかな…と思ったところで、このツイートを発見。

 

 

昨日の夜に頂いたメッセージをこのタイミングで気づく!

東京駅!近い!ということで連絡をもらって合流!

 

 

 

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これだよ!これ!!

このシュールな違和感が欲しかった!!

 

この後やったことは電車に乗って1駅移動し、また折り返しで東京駅に帰ってくる、ということだけだったんですが、この4人で乗って行ったときの電車の違和感はすごかった。

 

 

★わかったこと3:少人数でもいいから集団であることが大事。

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集団でいることで「変な人」から「何かが起こっている」に変わる

あと、この静かな感じもいいですね。

いわゆるパリピとかウェイではないんですよね、このイベント。

冬用ジャケットやハット、スカーフ、手袋などはしっかり装着する。あくまで「普通」を装うこと!唯一、おかしなことは・・・ズボンを履いてないってことだけ!!

これもこのイベントの大事なポイントなんですね。

 

 

続けて

 

 

★わかったこと4:本家 No Pants Subway Ride はよくできている!!

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僕は家からノーパンツで来たんですが、他のお三方はホームで脱いでたんですね。また、このシュールな絵が笑える。

ノーパンツ(ズボンを脱いで)電車に乗る、という行為に特化すると、急にイベント性が増すというか、メリハリがつくんですよね。

数分〜数十分、電車内を笑わすためのパフォーマンス、というか…電車もあえて1駅〜数駅で降りるのも正解でした。うん、よくできてる!

 

 

呼びかけ人のMaki Sugimotoさんは流石で、ホームで電車を待っているときにアイロンをかけ出していました。だから、ノーパンツだったんだね!

 

 

僕は日頃から非日常でぶっとんだ体験を好んで設計しているのですが、No Pants Subway Rideは「日常の中に突如現れる違和感」を楽しむイベントなんだなと思いました。

 

 

そして、東京駅で解散した後、マチョ餅ナイトでコラボしたマッチョ29さんがプロデュースするマッチョカフェ@渋谷マルイへ。

「この人たちは365日ノーパンツ・スタイルだなぁ〜」とか思いながらコーヒーを頂きました。

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日本を代表するノーパンツな男たちとして、来年のノーパンツデーは是非コラボしたいですね!

 

 

PS

後日談

2018年には、もう少し人数が集まりました。

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そして、2019年は年末年始バタバタで何もやれなかった、、

やりたい人は集まっていたし、まさかの海外の下着メーカーさんからスポンサー話も来てました(衝撃)

2020年こそはまたやるぞっという気合を込めて、リマインド代わりにFacebookイベントページを立てました。興味ある人はぜひ「参加」「興味あり」ポチをお願いします!

https://www.facebook.com/events/217963859145445/

 

 

世の中に、もっとワクワクを。

アフロマンス

【随時更新】アフロマンス・プロデュースの楽曲およびDJ Mixまとめ

◎DJ Mix

《 絶賛発売中! 》泡パMIX!!!! by アフロマンス
[ GENRE : EDM, HOUSE, TECHNO, ALLMIX ]

公式サイト:http://awapa.jp/awapamix/

 

《 FREE LISTEN! 》Funky House Mix part.3
[ GENRE : HOUSE, HIP HOUSE, TECH HOUSE, FUNKY HOUSE ]

 

《 FREE LISTEN! 》Beat Connection Mix by アフロマンス
[ GENRE : HOUSE, HIP HOUSE, TECH HOUSE, FUNKY HOUSE ]

 

《 FREE LISTEN! 》Lounge Hop Mix
[ GENRE : HIPHOP, LOUNGE, DOWNTEMPO, INSTRUMENTAL ]

 

《 FREE LISTEN! 》Funky House Mix part.2
[ GENRE : HOUSE, HIP HOUSE, TECH HOUSE, FUNKY HOUSE ]

 

《 FREE LISTEN! 》Funky House Mix
[ GENRE : HOUSE, HIP HOUSE, TECH HOUSE, FUNKY HOUSE ]


 

◎プロデュース楽曲

《 FREE LISTEN! 》エビィ☆バディ☆アフロ(Remix)

 

《 FREE LISTEN! 》RIZAP DANCE!(afromance HBD Bootleg)

 

《 FREE LISTEN! 》Our 泡パーティー(泡パ公式テーマソング)

 

《 FREE LISTEN! 》Our 泡パーティー(WAQMEUP Bubbly Remix)

 

《 MORE SOUND 》

https://soundcloud.com/afromance/

今年のイベントシーン予想とアフロの方針

 

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どうも。パーティークリエイターのアフロマンスです。

 

今日は年初ということもあり、2016年のイベントシーンの未来予測を書きたいと思います。

そこと合わせて、個人的な2016年の指針もまとめてみたいと思います。

※あくまで勝手な予測なので、ご容赦を!

 

 

2016年のキーワードは

「異種交配」

「ネイティブ・オーガナイザー」

「チルアウト・リターン」

「インテグレート・イベント」

「フィジカル&ヘルス」

です。

 

 

異種交配

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イベントはイベント会社・興行会社が行う時代から、イベントとは一見関係の無いような会社・業種が参入していきます。

これまでも様々な業態の会社が、マーケティングやブランディングの手法として、イベントをやることはありましたが、基本的にイベント会社に委託するか、興行イベントに協賛する形が多かったと思います。

そこが、自社で企画したり、運営したり、自社のビジネスと連携したもう一つのビジネス手段としてイベントを選択する。

いくつか理由はありますが、一つは消費者が非再現性(コピーできないもの)に価値を見出していく中で、SNSとの親和性の高さもあり、イベントの相対的な価値が上がっていくこと。また、企業自身もテレビやスマホの画面の中だけの出来事に実感を得られなくなっていくこと、などがあると思います。

もちろん、イベント会社や興行会社は一日の長がある訳ですが、安心してはいられません。異業種はまったく異なる視点を持ち合わせており、それがより「今」にマッチすることもある。結果、いろんな業種の視点がミックスされた新しいイベントが誕生していく。

 

 

ネイティブ・オーガナイザー

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スマホの普及によって、写真や映像の撮影・編集が容易になり「総クリエイター時代へ」と言われたりするが、イベントにおいても同様です。

SNSでのつながりは、誰をもオーガナイザーにする。また、企画や絵作り次第で、プロが手がけるイベント以上に話題を生むことも可能です。

いや、あえて言うと、プロになればなるほどリスク管理が要求されるイベント業界だからこそ、制約の少ないアマチュアオーガナイザーの方が、ぶっ飛んだ企画やチャレンジングな企画はやりやすいと思う。

これまでは何千人入った、何万人入ったということが評価指標だったイベントが、数より中身に移行する時代。小さいけど光る、そんなオーガナイザーが沢山登場し、次第に企業や市場も注目を始める。

 

 

チルアウト・リターン

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EDMやパリピに代表されるように、とにかく「盛り上がること」がウケた2015年。その揺り返しとして、「チルアウト」「室内」「ゆったり」といった切り口のイベントが登場し、人気を博す。

理由は簡単。やっている側も、参加する側も、やや「盛り上がること」に飽きてきているし、そういうイベントに参加している属性を見るに、明らかにキャズムを超えてマジョリティに移行しているから。

流行りすぎたカルチャーは次第に退廃していく。

それは、例えば芝生や畳の上で寝転がれるチルアウトミュージックのパーティーでもいいし、シェアハウスやAirBnBなどでイケてる家を借りてやる、こだわりのホームパーティーでもいいかもしれない。

 

 

インテグレート・イベント

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広告業界では「統合プロモーション」だったり「統合キャンペーン」と言った言葉が取り上げられて数年たった。とりあえず「CMだけ打てばいい」とか「WEBでバズらせればいい」と言った安易なプロモーション設計への警告と言った意味合いが強い。

しかし、その正体や定義は曖昧で、きちんと設計できる人(設計したものがちゃんと機能する人)は非常に稀

その答えの一つとして、イベントを中心とする統合設計は非常にアリだと思います。イベントはファクトをつくりやすく、絵作りや企画を考えればメディア向けのPRの基盤となる。また、一般ユーザーのインサイトをくすぐればSNS上での拡散にも相性がよく、実体験させられる場も設けられ、キャンペーンにも転用しやすい。

一点あるとすれば「コスト」ということになるが、それも異業種参入のように、プロモーションでも魅力的なイベントを設計して興行収益を得て、予算を軽減するのもいいでしょう。

 

 

フィジカル&ヘルス

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視聴型のいわゆるショーが、時代とマッチしなくなってきている。SNSの普及によって、セルフィが急速に一般化する中、視聴型はそこに「自分」が介在しないからだ。

いわゆる「参加型」イベントとは何なのか?言葉が独り歩きしているのが現状だが、僕はイベントの中に「自分」を介在させることだと思っている。それは誰が書いたかわからない言葉や、SNSのアイコンがモニターに映ることよりも、紛れもない自分が体を動かすことがシンプルでわかりやすい。

一緒にイベントをつくるのでもいいし、会場と一体となって踊るのもいいかもしれない。

また、今後常に右肩上がりのヘルス(健康)視点も合わさって、キラーイベントの一つの軸になっていくと思う。

 

 

2016年のイベントシーンの未来予測まとめ

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ここに書いたことは既に起こっていることもあるし、そういう兆候だけあるものもあります。イベントシーンにもまた、大きなうねりがきている

その航海の方法として、

異業種の視点を受け入れ(異種交配)

小さな主催者に注目し(ネイティブ・オーガナイザー)

自分の感覚を信じながら新しい波を感じ(チルアウト・リターン)

イベントシーンだけでない「世の中」まで視野を広げることが大事(インテグレート・イベント / フィジカル&ヘルス)なんじゃないかな、と思った次第です。

 

 

アフロマンスの2016年の指針

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指針とか言ってますが、要は抱負?とか今年の個人的なテーマ?とかです。

 

ずばり・・・

「一つの時代をつくる。」

携わっているイベント・体験型コンテンツを取り巻くシーンが激変する時代だからこそ、その一端、いや中心を担うこと。

今年の指針です。

 

そのために、以下の5つの視点で今年はアクションして行きたいと思っています。

 

1、インテグレートなマルチ展開(継続)

イベント単体では、時代はつくれないし、今の時代にも相性がよくない。イベントを中心とした、デジタル、ファッション、音楽、キャラクターなど、マルチな展開で面を広げていきます。

 

2、持続可能なブランドをつくる

単発単発での費用対効果を考えすぎると、ブランドが育たない。それは、2015年の学びでもあります。多少、単体で見合わないとしても、長い目で見てブランドを成長させていくような視点を持ってやります。

 

3、世界から日本へ、日本から世界へ

より海外との連携を深めていきます。海外にはたくさんのアイディアが溢れている以上に、そういう「人」が存在します。また、彼らは日本からのアイディアも心待ちにしています。

 

4、もう一度、エンターテイメントの力を信じる

イベント「周り」の話ばかりに目が行ってしまいがちだなと思っています。そこが強みでもあり、また逆に弱さでもあります。2016年は、改めてエンターテイメントの中身にもフォーカスを当てていこうと思っています。

 

5、自分と向き合う

いきなりクローズドな話になりましたが…(笑)ずっと逃げていた、もっとも大きな課題です。自分は本当はどんな人間なのかを知ること。精神的にも肉体的にも、色んなアプローチで向き合おうと思っています。

 

 

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ということで長くなりましたが、これを1年後に読んで、自分自身がどんな反応になるのか…(笑)2017年の正月にまた書きたいと思います。

今年もどうぞ、よろしくお願い致します。

 

 

世の中に、もっとワクワクを。

アフロマンス