どうも、アフロマンスです。
この間、うちに入ったインターンから「私もフェスをやりたいです!どうやったらフェスができますか?」というなんとも素直な質問をもらったので、僕なりの「フェスの始め方」を書きたいと思います。
ただ「フェス」と一口に言っても、様々なフェスがあります。
まず、ここで扱うのは「野外フェス」です。
また、出店がメインの食フェス等ではなく、ステージコンテンツがメインの音楽系フェス、規模感は数千人〜のイメージです。
ちなみに僕が過去に手がけたイベントだと、1万人規模がMAXです。
1、フェスっていくらくらいかかるのか?
いきなりぶっこみました(笑)
フェスって遊びに行ったことがある人はたくさんいると思いますが、いくらくらいかかっているのかは、全然わからないと思います。
もちろん、どれだけリッチな内容にするかなど、かなり幅があるのですが、クラブやライブハウス等でやった場合の5〜10倍くらいかかります(爆)
例えば、2000人のイベントを箱を借りてやった時に、仮に300万円かかったとすると、それと同じ規模をやろうと思うと、1500万円〜3000万円くらいかかります。(数万人〜になってくると、数億円〜!)
何故かと言うと、野外フェスの場合、全部用意しないといけないからです。
ステージ、音響、照明、そもそもの電源(=発電機)、受付からブース、誘導、控えから、トイレまで…
初めて野外フェスをやると、仮設トイレの値段にビックリすると思います。1台10万円くらいで、10台トイレを置いたらそれで100万円です。
だから、これだけは言えますが、基本フェスは儲かりません。
もちろん、複数のイベントをうまく回して、コストを削減して、、などできますが、それだったら色んなものが揃っている箱でやった方が安定すると思います。
逆を言えば、野外でも、ステージがそもそも備え付けであったり、トイレや電源などがある場所は経費は抑えられる傾向にあるので、会場を選ぶ時は、そういう点を考慮するといいでしょう。
2、じゃあ、お金を用意すればいいの?
とにかく「今すぐフェスやりたいんじゃー!」という人は、細かいことは抜きにして、お金を用意しましょう。
知り合いのお金持ちや企業に話を持って行って資金調達するのもいいと思います。
そして、世の中にはイベント制作会社というものがあるので、そこに投げると早いです。
きっと、形にしてくれると思います。
・・・が、フェスというのは中々に難しいもので、生き物のような側面があります。
何故かというと、フェスはたくさんの人の集合体でできているからです。
一人一人が、気持ちを持ってつくるフェスと、ただ、お金を払って集めた人たちがつくるフェスでは、つくれるものが大きく変わってきます。
今流行っているフェスの出来上がりだけを見て「いくらでできるの?」というのは、スポーツ選手に「いくら払ったら、それ俺もできるの?」と言うようなものです。
一度もフェスをやったことがない企業が、大きな予算をかけても失敗してしまうのは、そういったフェスの成り立ちをわからずに、出来上がりだけを真似しようとするから起こるのです。
3、始まりは小さな一歩から
フェスの主催者と話していると、始まりのエピソードは似ています。
「友達と毎年キャンプをしてたんだよ。それが年々人が増えていって、今はフェスになっちゃったんだ。」
「野外で音楽がやりたくて。最初は身内だけだったんだけど、今は地元の人も一緒になって、地域の祭りみたいになっているよ。」
こういう話をよく聞きます。
要は、世の中のフェスは、今ある形が突如出現した訳ではなく、できる範囲のものから年を重ねて成長したものなのです。
もちろん、有名なアーティストや、話題のコンテンツを組み合わせることで、一気に人を集めることはできます。しかし、一気に集まった人は、一気にいなくなる可能性も持っています。
目当てのものが無くなればいなくなりますし、次回来るかもわかりません。
でも、数十人〜数百人から始まり、徐々に成長していったフェスは、根が張った大きな木のように、根強いフェスになります。
だから、いきなり数千万のお金は必要ないのです。
できる範囲のものから始めて、いいものをつくることに専念する。そして、ゆっくりと大きくしていく。
それがフェスであり、ムーブメントのつくり方だと思います。
4、価値共感する仲間をつくる
もうひとつの視点としては、一緒にやる仲間をつくることです。
当たり前ですが、フェスは一人ではできません。
当日は数百人、準備の段階からも数十人のスタッフが動いています。
そして、前述したようにフェスは儲かりませんから、割に合わないと言いますか、ボランティアな側面で成り立っていることも多いです。
そこで、大事だなと思うのは、価値共感できる仲間であることです。
もちろん、入り口は「なんか楽しそう!」「やってみたい!」でいいのです。
ただ、やっていく中で、何かしらの価値を感じれなければ、大変だし、割には合わないので、長くは続かないでしょう。
もし、今から新しいフェスをやろうと思うのであれば、自分が価値を感じる何かを打ち出し、そして、その価値に共感してくれる仲間を集めていくのがいいと思います。
「そんなこと言われても、思いつかないよ〜」という人が大半だと思いますが、そんな人は(3)で書いたように、まずはできる範囲のイベントをやってみましょう。
その中で、実体験から生まれた価値観は、人には真似できない「自分のフェス」の種になるはずです。
ということで、僕なりの「フェスの始め方」でした。
要は、気負いせずに、やれることからやってみよう、ということです。
あと、自分の責任の取れないレベルで大失敗すると、取り返しのつかないことになったりもするのがフェスの怖い部分(借金を負ったり、怪我をさせてしまったり等)なので、そういう意味でも、できる範囲からやってみる、というのがいいと思います。
そして、こう言っている自分も、絶賛育てている最中です。
世の中に、もっとワクワクをつくっていけるように、お互い頑張っていきましょう!
世の中に、もっとワクワクを。