「昔のクラブはやばかった。」
「告知すればすぐに行列ができた。」
「(自分は)音で勝負する。流行りのEDMはかけない。」
以前からクラブ業界にいる人からよく聞く話だ。
僕はおそらく「クラブがやばかった時代」のちょうど過渡期からクラブに行き始めた世代。
確かに「あの頃のクラブはやばかった」のはわかる。何か特別な場所だったし、とにかく楽しかった。年のせいでは?そういうこともあるかもしれないけど、それで片付けるのは簡単だ。
クラブ = デカイ音が鳴ってて騒ぐところ。またはナンパするところ。
今のクラブは、そんな感じの認識な気がする。
昨日は非常にいいパーティーに出会い、「ああ、クラブってこうだったな」と思ったので、感じたことを書いてみる。
1、非日常のスイッチがはいる「空間」
デカイ音がなってて騒げればいい、ということではない。
クラブって一種の異世界をつくるイメージなのかもしれないと思った。
それは音はもちろん、どんな内装で、どんな照明で、どんな人たちが参加しているか、空間全体をどう考えるか、という話だ。
扉を開けるとそこは…というヤツ。
そういう意識が(無意識なのか)、以前のクラブにはあったのだと思う。
2、エロさ(儚さ)
なんだろう。クラブってエロい空気が絶対あった。
それはナンパとか、水着のオネーチャンがいるということではない。
会場全体を包む、空気感。
エロ本と同じで、素っ裸ほどエロくないものはない。
そういう意味で、今のクラブって全然エロくないのです。
むしろ、スカートの下の白い布が一瞬見えるか、いや見えない、それくらいが一番グッとくる、そういう感じ…で合っているかはわからないが、そこは感じとって欲しい。
3、いいパーティーは、写真なんか撮らない
これは自身でやっていることも否定している訳だけど、昨日、とっても楽しいパーティーだったけど、一枚も写真を撮らなかった。
考えれば当たり前だ。
クラブに、写真を撮りに行っている訳ではないし、それをアップして「いいね!」が欲しい訳でもない。
その場を楽しみにきているのだ。
体験が、本当の意味で価値あるものであれば、皆がこぞって写真を撮ってシェする必要なんてないのかもしれない。
…
だから、
昔のクラブはやばかった、のかもしれない。
非日常への扉をあけ、価値ある体験のために、行列に並ぶ。
DJだって、もっと自由に、本当によいと思う音楽をかけていた。いや、そういう場ができていた。
それは、クラブが単に、デカイ音を出す場所とか、騒いだりナンパしたりする場所とか、そんな認識では絶対にできないし、お客さんも巻き込んでいけない。
仮に流行りの音楽で人が入っても、流行が終わればシーンも一緒に終わる。
そんなことにはなって欲しくはないなと思う。
僕がやってきていることは、上記のことに反しているかもしれないが、新しい体験をフックにして、自分が本当にいいと思う音楽に接してもらうキッカケをつくることであり、シーンの拡大が使命だと思っている。
そんな中で、クラブに魅力を感じる、本質的なところを忘れてはいけないな、と思う。
PS
「昔の」「今の」と一括りにしていますが、もちろん色んなクラブやパーティーがあると思います。あくまで個人的な所感なので悪しからず。
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