先日のEvent Salon TOYAMAにて、Code for Kanazawaの清原さんのイベント論は、以下のような導入から始まりました。
「まず自身のイベントの規模感を捉えることが非常に重要です。10人〜30人のイベントをやるのか、1000人〜1万人のイベントをやるのか。そこを自覚してください。」
ご存知のように、参加人数の大小によって「イベントが提供する価値」は大きく変わります。
しかし
「参加人数の多さ=イベントの成功」
とは単純に言えません。
そこで今日は、比較的規模の小さいイベント(参加者10〜50人程度)の大きな魅力について書きたいと思います。
1、人と人がつながる
さんざん色んなイベントをやって、しみじみ思うのは、人との出会いは効率論ではない、ということです。
数字で考えれば、50人のイベントよりも1万人のイベントの方がたくさん出会いがあり、気の合う人と出会いそうなものですが、実際のところはまったく逆です。
50人規模のイベントで知り合い、仲良くなり、中にはプロジェクトを一緒にやるようになった友人もいます。逆に、数千〜数万人の大きなイベントに遊びに行った時には、そんな出会いはほとんどありません。
ある一定の規模を越えると、そこにいる人たちは「友達になるかもしれない人」ではなく「他人」になるのかもしれません。
2、参加者との境目が曖昧
まぁ、ステージ上にいる人が主催(出演者)側で、フロアにいる人たちが参加者なんだろうな〜という感じですね。
早朝フェスのヒゲくん主催のトークイベント「ヒゲトーク」の一枚
もはや、誰が主催側で、誰が参加者なのか曖昧ですよね…笑
というのは冗談、のようで、半分マジ、なんですが、
規模が大きいイベントだと、参加者=お客さん、主催=責任者、という役割が明確になっていく傾向があります。
逆に、規模が小さいイベントだと、立っている位置もフラットだったり、声かければしゃべれるし、主催も甘えてお客さんに手伝わせたりしちゃって…笑
というように、主催側と参加者側の関係が曖昧になっていきます。
それが、
主催側も一参加者のように楽しめるし、
参加者もイベントの一部にコミットして楽しい、
につながります。
3、一人の体験を大切にしやすい
イベントをやっていると、ついつい参加者を数字で見てしまいがちです。
「1000人近くの人が集まって、とても盛り上がりました。」
でも、1000人は一人一人違う人で、それぞれに体験のストーリーがあります。
盛り上がった人も、盛り上がらなかった人もいるでしょうし、音楽に満足した人もいれば、ご飯に不満を持った人もいるでしょう。
結局は「人」なのですから、そういうミクロな視点は大切だなと思っています。
そういうときに、規模の大きいイベントは一人一人の体験を把握することすら困難ですが、規模の小さいイベントでは当日主催者の腕次第なところもあります。(僕がフロアをうろうろして参加者と乾杯しているのはそのため!笑)
小規模だと、みんなを肌で感じられるし、なんだったらその場で楽しませることだってできる。
そういう部分も、いい所かなと思っています。
…
この記事を書こうかなと思ったキッカケは、オンラインチケットサービスのPeatixさんがやっている「Event Salon」というイベントです。
– イベント主催のためのイベント主催者によるイベント –
というようなフレーズでやっていますが、本当の魅力が中々伝わらなそうだなと横目に見ています笑
このイベントの魅力は、
・話題のイベント主催者や仕掛け人の話が聞ける
こともありますが、正確に言うと
・50人程度の規模感で、話題のイベント主催者や、そういうことに興味のある人が集まる
ことだと思っています。
1、何かを仕掛けている人・仕掛けようと思っている人たちがつながり
2、主催側と参加者の境目が曖昧で、ゲストも参加者もお互いに交流が持て
3、参加者一人一人に目の届く範囲で、本当にいいイベントをつくっていく
ことができているのかなと思います。(褒めすぎ?)
今、京都でこの記事を書き、数時間後にはEvent Salon KYOTOでトークするという、なんとも告知のようで全然告知になっていない感じなのですが、本日参加される方や、今後のEvent Salonに参加される方の参考になれば幸いです。
Event Salon KYOTO vol.1「大人の遊び」
日時:2015年6月12日(金)19:00 – 21:30(開場18:30)
会場:oinai Karasuma
http://eventsalonkyoto01.peatix.com/