FEATURE

パリピはひとりでは踊れない。

2017.1.4

パーティークリエイター/DJのアフロマンスです。

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朝日新聞 2017年1月4日号の社会面。

昨今のパーティーピーポー(いわゆるパリピ)についての取材を受けました。

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紙面はぜひ買って手にとってね。WEB版はコチラ。

 

紙面自体は、取材を受けている中で紹介した僕の「元弟子」が主役になるという展開になったので、僕は脇役的な感じです(笑)

ただ、取材の中で、朝日新聞の記者の方の熱意のある質問に僕も刺激を受け、色々考えるいい機会になったので、パリピに関連して思うことを少し書きたいと思います。

※5部構成。いつもよりちょっと文量多めです。

 


目次

1.「パリピ」ってそもそも何なのか?

2. 若者を表す「真面目なパリピ」

3. 今パリピが普通になった背景

4. パリピスイッチを如何に押してあげるか

5. パリピの先にあるもの


◼︎

1. 「パリピ」ってそもそも何なのか?

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パリピ = パーティーピーポーという言葉が世の中でつぶやかれるようになりました。言葉のイメージとしては「パーティーで盛り上がってる人」「ウェイウェイ言ってるテンション高めな人」とかそんな感じでしょうか。

ただ、そういう人って昔からいた訳です。クラブもディスコもフェスも、昔からあったし、妙にテンション高い人もいた。

それが何故このタイミングで言葉化、そして社会面として取り上げられるかというと、それが今の若者(10代後半〜20代前半)にとっての「普通」だからです。

昔からあったシーン、そこにいるパリピ的な人。彼らはその世代の中では、「尖った人」「はっちゃけてる人」だったのです。

今の若い世代の中では逆で、パリピはごくごく一般的な人なのです。普通にそこらへんにいる若者。ただ、盛り上がるのが大好き。だからこそ、面白い側面も出てきています。

 

◼︎

2. 若者を表す「真面目なパリピ」

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パリピという言葉から連想すると、人に迷惑かける、ちょっとヤンチャなイメージがあると思うのですが、前述したように「ごくごく一般的な若者」なので、真面目な子も多い。

中には学生団体でクラブを貸し切り、満員御礼の大盛り上がりのイベントを仕掛けつつ、その利益をラオスの小学校をつくることに全額寄付している子たちもいます。彼らも立派なパリピ。

上の世代からすると、一見相反しているように見えることも、若い世代にとっては何の矛盾もないことです。「盛り上がること」「自分たちが楽しむこと」「人を楽しませること」「それを共有すること」「そして社会にも貢献すること」これらは全部、物を買ったり、お金を儲けたりすることでは得られない、社会性の高い幸福を感じる行為です。

リアルなイベントが流行るときに出る「コト消費」という言葉が、僕はあまり好きではありません。正直、ちょっとズレている。もはや彼らは消費ではなく、「コト生産」そして「コト共有」を求めていると思います。

 

◼︎

3. 今パリピが普通になった背景

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では何故、パリピがこのタイミングで若者を中心に一般化したかというと、テクノロジーの発達と、その環境に対するネイティブな世代だということがつながっていると思います。

今の若い世代は青春時代をスマホとSNSを当たり前のこととして過ごします。

SNSを使っているとわかると思いますが、なかったときに比べると、何かと人に見られる機会が増え、人の目線を気にする・意識することが多くなったと思います。ご飯を綺麗に撮ってアップするのもそうだし、写真をアップするために絵映えするスポットに行くのもそうです。

SNSがなかった時代を生きた世代からは想像できない、周囲の目の中で育っているのが今の若い世代なのです。だから、人と外れたことがしたくないし、一人だけで目立つことはできない。友達と同じ格好をするとはみ出さない、だから双子コーデなんて上の世代では理解できない流行も起きる。

そんなある種、窮屈な世代の彼らも、ある設定があれば、普段発散できない自分を出してきます。そんなパリピ・スイッチがあると思っていて、それがクラブや泡パやハロウィン、ワールドカップ、ひとりでは踊れないけど、皆が一緒に騒げるなら、人一倍騒いで発散する、そんな背景があると思っています。

 

◼︎

4. パリピ・スイッチを如何に押してあげるか

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では、どうやれば彼らを自己解放させてあげられるかというと、設定とリードの二つかなと思っています。

設定とは、この空間やこの場では、一般的な日常の社会とは別で、こういうことをやっていい、むしろそれが当たり前、という設定です。ディズニーランドでミッキーの帽子を被るのは当たり前だから恥ずかしくないけど、日常的に付けられるかというと無理ですよね。Slide the Cityで街中で水着に浮き輪を持って遊ぶのはできるけど、普段は街中を水着では歩けません。そんな日常と線を引く、非日常をつくることです。

また、リードとは、その空間や設定の楽しみ方を導いてあげることです。例えば、クラブで黙々と音楽をかけていても、彼らはなかなか踊れません。でも、ダンサーやDJが楽しみ方をリードすると、素直にそれにのってきます。早朝フェスでやっているヨガパーティーも非常にここにマッチしています。逐一動きを指示してあげると、みんな喜んでハードな動きについていきます。安心して解放できる環境をつくることが大事です。

 

◼︎

5. パリピの先にあるもの

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最後にこの現象が今を表しているとして、次はどうなるかという話。僕の仮説ですが、いくつかご紹介したいと思います。

・Chill Out

今まで「盛り上がること」を重要視していたパリピたちは、もう少し大人になり、リラックスした非日常体験を求めると思っています。ただ、非日常感とフォトジェニックは必須です。

・小さなパーティー

今まで大型のフェスやイベントなど、人とエネルギーが集まるフィールドを好む傾向にあったと思うのですが、もっとリアルな身近なつながりを大切にするようになり、1万人の不特定多数のイベントから30人のコアなパーティーに移行していく。

・超参加型

これはバーニングマンおよびバーニングジャパンというイベントを見ていて思うことですが、消費から制作・共有の欲求が強まっていく中で、参加者全員が表現者であり出演者という形も広がっていくと思っています。ニコニコ超会議などは近いかもしれません。まさに「全員主役」というイベントです。

…と、3個くらいあげるとキリがいいかと思ったので、こんな感じで。

 

 

いかがだったでしょうか?

よくパリピ、パリピと言いますが、考えていくと非常に奥が深いし、興味深い現象だなと思っています。

僕はそこに対して、常に新しいアンサーを出していけるように活動していこうと思っています。

何かの参考になれば幸いです。

 

アフロマンス

 

 


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