どうも。アフロマンスです。
佐賀の日本酒「佐賀ん酒」をPRするために、3/1(木)〜3/11(日)の計11日間、表参道に「SAKURA CHILL BAR」を期間限定でオープンしました。
「桜の花びらが舞い散る中で、チルアウトする」というコンセプトのバー。
ありがたいことに、オープン初日から最終日まで連日行列。
会場で収集したアンケート結果も、
また参加したい9割以上
また佐賀ん酒を飲みたい9割以上
という好結果でした。
そんな「SAKURA CHILL BAR」を振り返って、改めて大事だなと思ったポイントをまとめてシェアしたいと思います。
1、フォトジェニックのその先を考える
SAKURA CHILL BARを見て「あ〜、流行りのインスタ映えイベントね」と思う人もいるでしょう。
もちろん、フォトジェニック(絵映えする)というのは意識しています。
しかし「それだけ」では、今の体験設計はダメだと思っています。
いい写真撮れればOK!なんて、皆そんなバカじゃない。
流行りの「インスタ映え」へのアンチテーゼとして「非インスタ映え」なんて言葉も出てきていますが、それもズレてる。
インスタ映えと揶揄されるものは「見た目は美しいけど、中身がない」のが問題な訳で、見た目は美しい方がいいし、写真や動画は綺麗に撮れた方がいい。
その上で、当たり前に「中身を充実させること」が大事なんです。
そこで、今回は「見た目は美しいし、体験としても充実している」ものをつくることを心がけました。片手落ちじゃダメ。両輪を満たすことが大事です。
フォトジェニックと体験の充実は両輪必要
2、観客から感客へ
では「体験の充実」って一体何なのか?
簡単に言えば、観る(=視覚)だけに頼らず、どう五感で感じさせられるか、ということだと思います。
最近流行りのVRとかプロジェクションマッピングとか、スゴいとは思うんですが、ほとんどのものが結局「観る」だけなんですよね。
インスタ映えの話にも近いけど、決して美しい映像や最新のテクノロジーを否定したい訳ではなく、結局、「観る」だけで終わるのはつまらない、その先までクリエイティブした方が絶対面白いじゃん、ということです。
これまで、広告も、メディアも、エンターテイメントも、ほとんどのものが如何に「観せるか」に終始し、「観客」をつくってきた。
だったら、僕は五感で感じ、体と心が動く「感客」をつくりたいと思っています。
今回の「SAKURA CHILL BAR」では、花見=観て楽しむもの、という固定概念を壊し、全身で感じるものに昇華したいと思いました。
120万枚の桜の花びらに埋もれて肌で感じ、Ovallの心地よいCHILL OUTな音楽と木の香りに包まれながら、美味しい佐賀ん酒とおつまみを食べる。
最高じゃないですか?
なんでリアルな体験にはお金を払うのか?それは感じたいから。
3、書ききれないくらいこだわる
今回、制作期間が約半年と、僕のやっているプロジェクトの中では時間がかけられる方だったので、かなり細部もこだわりました。
例えば、一階のバーカウンターや二階のステップは水槽状になっていて、水面に桜の花びらが漂っています。
この水は佐賀の日本酒をつくるときに使う仕込み水を、酒蔵さんから分けて頂いて使っています。BARの中に、佐賀の日本酒の美味しい「理由」を表現として入れたかったのです。
他にも、飲み比べをする際のマスはもちろんのこと、それぞれの銘柄がわかるように22蔵元分の木札をつくりました。プリント印刷みたいにはしたくなったので、全て彫り。そのため、全銘柄のロゴをパスで書き出しました(疲れました)。
など、書き出したら、色々ある訳ですが…
たくさんのこだわりは告知にはあまり出ていません。
なぜなら、告知はお客さんが来る理由をシンプルに伝えるべきだからです。
一方で、来てくれた後の「体験」はまた別の話です。
内容が薄いと、お客さんも感じます。告知は派手だったのに、中身は大したことなくて残念…ってこともあると思います。
たくさんのこだわりがあれば、気づく人は気づくし、気づかなくても感じる体験はリッチになります。
そこが満足度へつながります。
告知で伝えきれるくらいの体験なら、大した体験ではない。伝えきれないくらい「こだわり」があって然るべき。
4、SNSは口コミの氷山の一角でしかない
会場内でのアンケートの中で「SAKURA CHILL BARを何で知って来店したか?」というものがありました。
答えは圧倒的に「友人・知人からの口コミ」でした。
この時、正直ビックリしました。
なぜなら、オープン数日の、そこまでSNS上でつぶやかれていない(エゴサーチしてもそこまで多くの投稿がない)時期ですら、圧倒的に「口コミ」で来店していたからです。
これは一体何なのか、というと、デジタル上では知ることができない、リアルの口コミの方が圧倒的に多いということ、だと思います。
こう考えるとわかりやすいかもしれません。
氷山として見えているのが、SNSでの投稿。これは表に出ているので観測することができます。しかし、実際は水面下の観測できない部分で、圧倒的に大きな「リアルの口コミ」が作用して、人は行動している、ということです。
当たり前と言えば、当たり前ですよね。
たまたまタイムラインで面白そうな情報を見かけるのと、会った時や、直接LINEで「これ面白そうだから行こうよ」と誘われるのでは雲泥の差です。
ただ、それを軽視してしまっているなと改めて気付かされました。
例えば、よくあるインフルエンサーマーケティングで失敗するのは図の左側のように、氷山の見える部分をいくらつくっても、水面下がスカスカであれば人は動かないってことです。
逆に、知る人ぞ知る隠れ家的なお店とかは、右側のようにSNSに顔を出さずに水面下でリアルに評判が広がっている状態です。
どっちの方が人が集まるのか、長く続くのか、は明確ですよね。
だから「SNS上だけ」でバズらせても、意味がない。
見えにくい、リアルな口コミまでを視野に入れて、きちんと満足してもらえる体験を提供することが大事だと思いました。
SNSに惑わされず、自分がいいと思うものをつくっていくことに尽きるのかもしれません。
まとめ
フォトジェニックの先とは、見た目だけでなく、体験も充実させること。
如何に観せるかという「観客」視点ではなく、五感をつかってどれだけ体感させられるかという「感客」視点を持つこと。
告知に書けないから意味がない、ではなく、書ききれないくらいのこだわりを体験に詰め込むこと。
エゴサーチも大事だけど、それ以上にリアルの口コミの力は大きい。だからこそ、体験まできっちりつくっていかないといけない。
ここまで話したことは、独立した要素でありながら、実は共通点があります。
左は数値化できたり、可視化できたりする「わかりやすい」もの。
右はその逆で、可視化しにくい「わかりにくい」ものと言えます。
デジタルの発達により、左側の側面が手軽に扱いやすくなったことで、本質的な部分が見えにくくなっているんだと思います。
企業のマーケティングにおいても、左側を重視することは多いでしょうが、実際に人を動かし、結果を産むためには右の設計も欠かしてはいけません。
これからも、より面白く、より実のあることをつくっていくために。
参考になれば幸いです。
世の中に、もっとワクワクを。
PS
SAKURA CHILL BARのアフタームービーもあるので、是非チェックしてみてください( ´ ▽ ` )ノ
SAKURA CHILL BAR 公式サイト
http://afroand.co/sakurachillbar_sagansake/